陽のあたる裏路地

観た映画や、読んだ本について書くブログ。ぬるっと始めたので詳細はまだ不明。

2022-01-01から1年間の記事一覧

『帰去来殺人事件』山田風太郎

帰去来殺人事件: 山田風太郎傑作選 推理篇 (河出文庫) 作者:山田 風太郎 河出書房新社 Amazon 新宿の商売女たちの堕胎などを手がける闇医者でありアル中。そんな山田風太郎の生み出したアクの強い名探偵、荊木歓喜を主人公とした短編8作が収録されている。 …

『キマイラの新しい城』殊能将之

キマイラの新しい城 (講談社文庫) 作者:殊能将之 講談社 Amazon それなりにページ数もあるし、とっつきにくいかと思いきや、面白くて1日で読んでしまった。 これで殊能将之は『鏡の中は日曜日』と二作品を読んだことになる。 ストーリーはタイムスリップSF +…

『さよならに反する現象』乙一

さよならに反する現象 (角川書店単行本) 作者:乙 一 KADOKAWA Amazon とりあえず装丁が美しい。表紙に描かれた奇妙な図形たちが見る角度によって妖しく光って見せる。 たぶん2016年から2020年まで、様々な雑誌に掲載された短編を集めた短編集(ただし、「怪…

箱舟という悲劇『安達としまむら (10)』/入間人間

安達としまむら10 (電撃文庫) 作者:入間 人間 KADOKAWA Amazon ついに大台に乗った『安達としまむら』の10巻は、九つの短編による連作短編の形を取っている。 これらの短編の時系列は複雑で、安達としまむらのどちらかが主人公を務める主要な五編に限れば、…

『記憶の中の誘拐 赤い博物館』大山誠一郎

記憶の中の誘拐 赤い博物館 (文春文庫) 作者:大山 誠一郎 文藝春秋 Amazon シリーズ物だが、前作は未読。大山誠一郎の作品は初めて読む。 まず気になるのはミステリ要素の充実に対して、物語の豊かさにはこだわっていないこと。 つまり推理小説の「推理」の…