陽のあたる裏路地

観た映画や、読んだ本について書くブログ。ぬるっと始めたので詳細はまだ不明。

劇場版 のんのんびより ばけーしょん(2018 川面真也)

 

『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』オリジナルサウンドトラック

『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』オリジナルサウンドトラック

 

 

 テレビアニメの『のんのんびより』のあくまで延長として。劇場版だからと野心的にならず、ただテレビアニメの内容を潤沢な予算で丁寧にやる。観ていてそういう印象を受けた。

 たとえば冒頭に出てくる川のせせらぎや、沖縄の夜空や海を輝かせる星と夜光虫など、映像も充実しているし、ギャグもいつも通り面白い。サプライズはないが、ファンの期待を裏切らない。ある意味安心できる出来だ。

 ところが沖縄旅行が終わる寸前、あるサプライズが待っている。この瞬間、物語は観客の予想もテレビアニメのスケールも超え、予想以上に映画として充実した瞬間を迎える。こういった観客の印象に残るような、鮮やかな一瞬が映画の命であり、観ていてドーンと盛り上がるのだ。それをギャグで落とすのも良い。

 黙って車に乗ろうとする夏海をれんげが呼び止める。冒頭に出てきた水車小屋の絵が、ここで伏線として効いてくる。台詞だけではなく映像で語ろうとする姿勢が心地良い。

 

 夏海が実質的な主人公だが、他のキャラクターにもそれぞれに見せ場がある。中でも一番活躍していたのはひかげで、様々なギャグシーンにオチをつける。

 あと、個人的には一穗が一番好きなのだが、そんな一穂にも川下りの場面で見せ場があって嬉しかった。川に飛び込んではしゃいで見たり、頼れる大人としての一面を見せたり、いつもと違う一穂だったが最後には‥‥‥。

 OPとED曲、両方とも良い曲だと思ったが、特にEDの歌詞は聴いているとじんわりと効いてくる。映画のストーリーと相まって感動的だ。

 

おもいで

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